「はーいじゃあ、席替えするんでくじ引いてくださーい」

HRが終わってガヤガヤと賑やかな教室に響いたそんな言葉。

「あー、もうそんな時期か」

「私ぜったい後ろの席がいい!」

頬杖をついてボーッと黒板を眺める私、松崎 架瑚。高校2年生。血液型はA型で好きな食べ物は…

「担々麺…」

「架瑚!また坦々麺脳になってるよ」

そう言って笑いながら私を叩くのは友達の玲美、1年の頃からの親友、ってやつ。

無事に2年生に進級することができた私たちは、目下席替えという名の一大イベントに直面している。