たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

恐る恐る、振り返ると紺色の騎士団の制服を着た青年将校が立っている。
胸の勲章や肩から首元にかかる飾緒を見れば、高級将校だと一目でわかった。

フワフワと柔らかそうな金色の髪に優しそうな青い瞳。

女性ウケする要件をすべて満たしている人だった。



一気に心臓が高鳴る。

どうしよう。唇をギュッと噛みしめて近づく将校を見据える。

指先は冷え、無意識に足も震えてきた。

そんなフィーアに、青年将校は予想を反して優しく語り掛けてきた。


「馬はここにつないで行ったほうがいいですよ」



えっ?思いがけない言葉に自分の手元に視線を移すと、フィーアの手にはしっかりと手綱が握られている。
無事入城できた安心感から気が緩みすぎて、駒寄に馬をつなぐのを忘れていたのだった。
いくら何でも建物の中まで馬は連れて行けない。


「あっ、ごめんなさい」


慌てて馬をつなぐ。


そんなフィーアを見て「城は初めてですか?」と彼は話しかけてきた。



「は、はい。勝手が分からなくて。すみません」


もう一度ガバッと頭を下げる。