たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

門番に軽くお辞儀をして城門を抜ける。

やったやった。顔をほころばせ心の内で喜ぶと、少し歩いた所で足を止め「ふーっ」と大きくため息をついた。

中に入ってしまえばこっちのもんだわ。フィーアの顔は自然に緩む。

落ち着きを取り戻すと、見慣れないお城に少し興味が湧いてきて、あたりをキョロキョロ見回す余裕も出てきた。


城壁の中にも幾つかの建物があるようだ。

皇帝の居城に、衛兵が見張りをする塔もある。

塔の地下には大抵、牢が作られている。この前の酔っ払いさんもまだそこにいるのかしら?

塔の上で見張り番をしている兵士に視線を向けた。

目が合いとっさに視線を外す。



資金が豊な国の皇帝は、居城を私的な棟と公的な棟に分けるらしいが、ここもそうだった。

そして礼拝堂。

所狭しと建物が並ぶ中、近衛兵の兵舎も城壁の中にある。

どうやらエルンストの執務室は兵舎の隣にあるらしい。


フィーアは地図を出してのぞき込む。

お城で迷わないようにと、コンラートが書いて渡してくれたものだ。


自分の位置を確認しながら、慎重に進む。

下手に迷ってしまうと、これまた面倒だ。

うっかり、一般人が立ち入ってはならない場所に迷い込みでもしたら、エルンストに迷惑が掛かってしまう。