たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

「おっと」金貨の入った袋を胸で受けとめた男は早速中身を確認する。


「全部金貨ですね」


「数えなくていいのか?」


「へっ。俺くらいになると重さで分かるんですよ」


男が奴隷女の手首を縛る縄をナイフで切ろうとした時だった。



「ま、待って下さいっ!!将校様っ!!」


突然別の奴隷女が叫んだ。


「その子を買うよりあたしを買って下さい!!」


ガチャガチャと鎖がこすれる不快な音を気にすることなく、少し年長の女が他の奴隷を引きずるように青年の前に歩み出た。

「あたしの方が将校様を楽しませることが出来ます。あたしはさるお屋敷で侍女をしておりました下級貴族でございます。それに比べて、この子はどこの馬の骨とも知れません。どうかあたしをお屋敷にお連れ下さいっ!!」


必死に訴えるその目は真剣そのもの。青年に買ってもらうのが得と踏んだようだ。

無関心そうに青年はその女に一瞥をくれた。


「お前の方が、俺を楽しませると?」


「は、はい。必ず。後悔はさせませんっ」

自ら奴隷服の胸元を肌け、更に体をしならせた。