たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

「な、なんだっ?!俺は子供じゃないぞっ!!そんなもの見てどうするっ?!」

顔を赤らめてエルンストは抗議する。まるで少年のようだ。

「お優しいのですね。わたくしは動物たちのパーティー見てみたいです」

にっこりと笑う。

こちらが素直になれば相手もそうなってくれる。フィーアは確信していた。


「.....その、何だ。うるさいジジイがいない時だったらいいのだがな」
鼻をかきながら照れた様子のエルンストがフィーアには無性に可愛く見えた。


ジジイとはきっと執事のコンラートのことだ。

何だかんだ偉そうな態度をとっているけれど、あの人に頭が上がらないのね。

でもそれはエルンストの意外な部分を知れた瞬間だった。

この方はいつも無表情でぶっきらぼうだけど、きっと心の温かい方なのだ。


ニヤニヤするフィーアに照れ隠しなのか、


「い、行くぞっ」手綱を引いて先に歩き出してしまった。

「はい」ほっこりした心を抱えて、一歩後ろをについて歩く。


この人のことをもっと知りたい。そう思うフィーアだった。