「あの娘にやられた」


「フィーアがでございますか?まさか?!」

両手を口にあてて慌てるヘレナ。


「申し訳ございません、どうかお許し下さいませ」

深々と頭を下げるヘレナに、「気にするな」笑顔を見せる。


「おとなしそうに見えて、結構気が強いぞ」


「そのようでございますね。お薬を塗って差し上げます」

そう言い残して薬箱を取りにヘレナはバルコニーを後にした。