たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

「兄さま、フィーア」

ゾフィーは二人に歩みよると、
「フィーア、あたなのことはファーレンハイトから聞きました。色々とご苦労がありましたね」

そしてフィーアの手を取り「愚かなゲオルグはその死をもって自らの罪を償いました。ゲオルグを許して下さい」静かに頭を下げた。


「ゾフィー様、わたくしは.....」


ゾフィーはゲオルグを愛していたのだとフィーアは悟った。

それ以上何も言わずにフィーアはゾフィーに対して、ただ静かに頭を下げた。


「フィーア。あなたの名誉を回復し、エルンスト・フォン・ベーゼンドルフとの婚姻を許可します」


一礼するフィーアの瞳から流れる一筋の涙は輝いていた。


「ゾフィー様....」言葉を詰まらせるフィーアをゾフィーはそっと抱き寄せた。


「あなたが我が一族に加わることを、誇りに思います」


二人を見つめるエルンストも人知れず涙を拭っていた。