たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

そして強引にフィーアの口に舌を入れようとした時だった。


「....くっ」

突然エルンストは声をあげると、フィーアから顔を離し唇から流れる赤い液体を手の甲でふき取った。

フィーアがエルンストの唇を嚙み切ったのだ。



「ますます面白い。この俺にたてつく女か」


拘束から解放されたフィーアは彼から距離を取った。


荒い息で肩を上下させながらエルンストをにらむ。



「お前の寝室はまだ用意していない」


口元を歪めると、「ここで寝ろ」そう言って部屋を出て行ってしまった。