たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

ゲオルグ目がけて、凶器を振り下ろす。

ゲオルグも戦士の端くれ、よろめきながらも間一髪でかわす。

しかし、そのほほからは鮮血が流れた。


「だ、誰かっ!誰かおらぬかっ!!」

皮肉にも自身が命じた人払いで近くには誰もいなかった。

ゲオルグの声に応える者はいない。


「ま、待ってくれ。世とてそなたが奴隷にまで身を落とすとは思いもしなかったのだっ」


「今更命乞いですか?なんと見苦しこと」

フィーアは口の端を歪める。

「ヴァルハラがあなたを受けいれてくれるかどうかわかりませんが、潔くその命、差し出しなさいっ!!」


転がるようにしてゲオルグは床を這いまわる。


「世が悪かった。許してくれっ!!」


「もう遅いっ!!」


フィーアは凶器をゲオルグ目がけて振り下ろした。


それは心臓をわずかにそれて、腕に突き刺さった。


「ギャーっ!!」悲鳴とも雄たけびともとれる声が室内に響く。


フィーアの凶器はその衝撃で砕けてしまった。