たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

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皇帝ゲオルグの側近によって地下牢から連れ出されたフィーアは、王宮の湯殿にいた。

そこで牢での汚れを洗い落とされ、差し出された白いドレスに身を包んでいた。

これから待ち受ける運命は自分でも分からない。だからそれを見極めるまで、今はおとなしく言いなりになっておこう。そう思っていた。


「こちらです」皇帝付の女官に案内された一室には、フィーアが来るのを今や遅しとソワソワしながらゲオルグが待っていた。

フィーアがが姿を見せると、「おお」と嘆息を漏らす。


女官が居なくなると、フィーアに近づいてくる。


「世の用意したドレス、良く似合っておる」

上から下までなぞるようなゲオルグの視線にフィーアは不快感しかない。


「やはりそなたは大陸一美しい。殺してしまうには惜しい」



フィーアは後ずさる。


「そなたを世の側室にしてやる。喜べ、命が助かるのだぞ。何不自由ない生活をさせてやろう。そして世の子を産むのだ」


フィーアはゲオルグを見据えた。

沸き上がる嫌悪感と憎悪。

ゲオルグの子を産む?狂っているとしか思えない。

フィーアは吐き気を押えるのがやっとだった。