たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

と、そこへファーレンハイトが血相を変えて飛んできた。


「閣下、フィーア殿が牢から連れ出されましたっ!」

まさに青天の霹靂だった。


「何っ?!」怒声が轟く。


「皇帝の命とかで側近が連れて行ったのです」


フィーアが連れて行かれただとっ?!一体どこへ?!


「まさか命を奪う気では?」

ファーレンハイトの顔には不安の色が浮かぶ。


「今は何とも言えん。お前は女官たちから情報を集めろっ!急げっ!!」


ファーレンハイトはすぐに闇に姿を消した。


軽々に判断は出来ないが、ゲオルグはフィーアを殺したがっていた。

不安と憤りで落ち着いてなどいられず、焦りがエルンストの胸を苦しめる。

「無事でいてくれ」

エルンストは夜空の星を見つめた。祈ることしか出来ない自分に歯がゆさを感じる。

しかし事態が変わった以上、無駄に動くことも出来ない。

フィーアを助け出す前に俺が捕まるわけにはいかんのだ。
エルンストは唇をかみしめた。


「俺の人生は、お前のためにある」誓いにも似た言葉を星につぶやいた。