たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

────ふいにドアをノックする音がする。


「ご主人様」ルイーズだった。


「どうしたルイーズ?」おもむろに立ち上がり、部屋に入るように勧める。


「あの......」戸惑いながら、ドアの陰に隠れていた青年を引っ張る。



「彼は?」エルンストは少し怪訝な顔をした。


「わ、私はギルベルト・アンゲラーと申します」

かぶっていた帽子を手にとり、緊張した様子で自己紹介をする。


貴族ではないな。年は自分より少し下くらいだろうか?エルンストは素早く青年を観察した。

手には豆があるから重い荷物を運ぶ仕事だろう。


「ご主人様。この人はわたくしの恋人で、城下町で父親が営む酒屋の手伝いをしている者です。いつも屋敷にワインを配達してもらってます」


ああ、フィーアがいつぞやルイーズには平民の恋人がいると言ってたな。


「いつもありがとう。ギルベルト」

エルンストは右手を差し出す。


「えっ?!あ....はい」戸惑いながらギルベルトも右手を差し出すと、二人は握手をした。