たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

牢番は「イヒヒ」と気味の悪い声で笑うと、

「これは随分上玉が来たもんだ。こりゃ楽しみだ」

フィーアに舐めるような視線を向けてくる。


フィーアは思わず顔を背けてしまった。

身の毛もよだつおぞましさ、とはこのことだった。


腕を組んで牢番に悪意を向けていたファーレンハイトは、

「喜べ。しばらくお前に休暇をやろう。ここは我らシュバルツリーリエの兵士が番をする」
忌々しそうに牢番の男に宣言した。


「旦那、休暇なんていらないでさぁ。ワシはあの女を味わいてえでさぁ」

ペコペコしながらニヤニヤする顔が、ファーレンハイトの抑えていた怒気を爆発させた。



「黙れ痴れ者っ。人の好意を無にしおってっ!!」

だが言葉とは裏腹にファーレンハイトの口元はニヤリと歪んでいる。

「お前は私の命令が聞けないのだな?」

ファーレンハイトは牢番を空いている牢に放り込むよう部下に命じた。


「待ってくだせぇ、どうしてワシが入らにゃなんねえんだぁー」牢番の抗議の声が狭い地下空間に反響する。

「バカ者がっ」吐き捨てるようにファーレンハイトはつぶやいた。