たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

「待ちかねたぞ、フィーア」


立ち尽くす彼女にエルンストが近づいてくる。


と、すぐにその華奢な体を抱きしめ口づけをする。


フィーアは微動だにせずエルンストを受けとめる。

ヘレナに言われるまでもなく奴隷は主人の命令が絶対だ。



エルンストはフィーアを抱きかかえると、そのままベッドへそっと横たえ、
口づけをしたまま覆いかぶさる。


大きな手が背中に回されると、メイド服のファスナーを下ろした。


「や、やめて下さい」

我慢しようと思ったがやはり出来なかった。


「ど奴隷にもプライドはあります。たとえ娼婦より身分が低くとも」


奴隷はカーストの最下層だ。自由を与えられている娼婦のほうがまだましと考える者も少なくなかった。


そんなフィーアにお構いなしに、エルンストは手を止めない。

白い肌が徐々にあらわになる。


「ご主人様、どうか....」


豊な胸にエルンストが唇を移動させた時だった。


「いやっ!」


突然フィーアが叫ぶとエルンストの顔を両手で胸から引きはがし、ベッドの上を回転しながら床へと転げ落ちた。

すぐに立ち上がると、服に袖を通す。