たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

ゾフィーはうつむきながら話し始めた。


「実は少し前に、『兄さまのお嫁様は、わたくしのお眼鏡に叶わないとダメですよ』なんて言ってしまったの。そしたらとても気にした様子で」


エルンストとフィーアの会話をこっそり聞いてしまったこともゾフィーは正直に話した。


ゾフィーの瞳は涙で濡れていた。


「ごめんなさい、兄さま」


「気にするな」ゾフィーに笑顔を向けると、エルンストは愛馬にまたがり闇の雷雨の中へ馬を走らせた。


帰る?いったいどこへ帰ると言うのだ。屋敷に帰ったのか?


馬にムチを打ちながら、豪雨の中をひたすら走る。

胸騒ぎがする。

『このまま死ねばよかった』

フィーアの言葉が頭をよぎる。

どうか、無事でいてくれ。

エルンストはムチに力を込めた。