たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

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その日の夜、エルンストは皇妃ゾフィーの暮らす離宮へと向かった。
雨は激しさを増し、嵐を予感させていた。


「兄さま?!そのお顔はどうされたのですかっ?!」


出迎えたゾフィーは驚きに目をしばたかせた。


エルンストの目は腫れあがり、口元には血のにじんだガーゼがはってある。


「色男がだいなしだな」冗談めかす。


「本当ですこと」ゾフィーはクスっと笑う。



「フィーアは?」


その名前を聞いてゾフィーの顔が曇った。


「それが、帰ると出て行ったのです。何度も止めたのですけれど.....」


「出て行った?!」


「兄さま、わたくしのせいなのです」


エルンストはゾフィーの肩を両手でつかんだ。


「ちゃんと話してくれ、ゾフィー」