たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

刺客として送られて来た女は激しく抵抗していたが、フィーアともみ合っているうちに観念したのかやっとおとなしくなった。


「何か縛るものをっ!」差し出された紐で女を縛り上げる。


「さあ、私たちもここを離れましょう」


フィーアたちが広間に移動してすぐに、勢いよく扉が開かれ血相を変えたエルンストが飛び込んで来た。


「皇妃様っ?!」慌てた様子でゾフィーを探す。


「皇妃様は別室に避難されております。ご無事です」女官の一人が答える。


エルンストはうなずくと、同行してきたファーレンハイトにゾフィーの様子を見てくるように指示した。


フィーアの姿を認めると、「何があった?」そう言って近寄ってきた。


フィーアは乱れた髪を直しながら事細かに説明し、エルンストは「憲法裁判所長官エグムント殿を呼んできてくれ」部下にそう命じた。