たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

「永遠に」

フィーアは付け加えた。


「人の心に永遠などあるものか。
婚礼の儀でそう誓ったところで、実際はどうだ?」


エルンストは皇帝ゲオルグとゾフィーの事を言っているのだが、フィーアはその事を知るよしもない。


「ではどうしたら信じていただけますか?」


「.....わからん。わからんが今はこうしていたい」


フィーアの胸にエルンストは顔をうずめた。


「大きな子供ですね」


エルンストの頭をフィーアは優しく抱えた。



開け放たれた窓から満開を迎えたユリの香りが風に運ばれて部屋を満たしてくる。


エルンストは何かを思い出すように口を開いた。


「ちょうど今頃だ、母上が亡くなったのは。だから俺は夏が嫌いだ」