たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

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「ずいぶんとお疲れのご様子ですね」

フィーアはグラスにワインを注ぐ。


屋敷に戻ったエルンストは、短い夜を自室でフィーアと過ごしていた。

フィーアの部屋を三階にしたのは正解だった。改めてエルンストは思っていた。

コンラートやヘレナの監視の目が届かず、ゆっくりと二人で過ごせる。



「ああ、今日は疲れた」長椅子に倒れ込む。


「ゾフィー様の件はうまくいきまして?」


「まだ分からん」

どうやらややこしい任務のようね?フィーアはそれ以上聞かなかった。


「あまり無理をなさらないで下さい」


エルンストを気遣うフィーアを愛おしく感じながら、「そうだな」横になって宙を見つめている。


「今日はこれで失礼いたしますね。早くお休みになったほうがよろしいですわ」

フィーアはエルンストの腕から砂がこぼれるようにすり抜けた。


「待て」起き上がったエルンストがフィーアの手首をつかむ。