たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

「閣下、ベッヘムはどちらに連れて行きますか?」

ファーレンハイトが問う。


「いくら何でも監視塔の地下牢では忍びない。営倉にお連れしろ」


「ですね」ファーレンハイトは納得した顔をする。


営倉は罪を犯した兵士を収監する場所で、地下牢とは大きく意味合いを異にする。



エルンストの執務室と同じ建物の中にあり、ベッヘムはそこに連れて来られた。


「しばらくのご辛抱を。ここにいるほうがむしろ安全なのです」

そう語り掛けるエルンストにベッヘムは訳が分からないと言った表情をする。

「あなたは命を狙われているんですよ」

ファーレンハイトが教える。


「詳しいことは明日にでも」


言い残して、エルンストは屋敷への帰路についた。

気がつけは夜半を過ぎていた。