たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

しかし皇帝の命令は絶対だ。

専制君主である以上、臣下はそれに従うしかない。どんなに理不尽で納得がいかなくとも。

「はっ」短く答えると謁見の間から退出し、エルンストは執務室へと向かった。


事態は刻刻と動いている。

僅かな猶予もならない。



「────ファーレンハイト、ファーレンハイトはいるかっ?!」

衛兵棟に戻ったエルンストはすぐに行動に移した。


「お側に控えております」

無言でうなずくと、


「今からランドルフ・フォン・ベッヘムを拘禁する」そう告げる。


えっ?!あからさまに疑問符のついた表情のファーレンハイト。


その顔を見てエルンストは言葉を改める。


「一応、拘禁だ」

「一応ですか?」

「ああ、一応だ」

ニヤリと笑みを浮かべたファーレンハイトは事態を察した様子で敬礼した。