たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

ばつが悪そうなゲオルグの表情をエルンストは見逃さなかった。

「それがな。グレーテが殺して欲しいと言うのだ」

「はっ?」耳を疑った。


「世の愛しいグレーテがベッヘムから嫌がらせを受けたと言うのだ。
見ただけで嫌悪感をもよおすので殺して欲しいとな」


正気かっ?エルンストは思わずにはいられなかった。


たったそれだけの理由で若く有能な人間の命を奪うのか?


.....。

そうかっ!!


ベッヘムとグレーテは何か関係があるのだ。

まさかベッヘムの子供?!

それで殺そうとしている可能性は否定できない。

エルンストは奥歯を噛みしめた。



「すぐにベッヘムを拘禁してくれ」


ゲオルグは変わってしまった。

側室の言いなりで、事もなげに人の命を奪える人間になってしまった。

主君の変貌ぶりに寂しさを覚えるエルンストだった。