たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

「うむ」満足気にうなずくゲオルグ。

「お世継ぎのご誕生はいつのご予定ですか?」

とりあえずゲオルグの機嫌を取るための世辞だった。


「冬の終わりか春の頭だそうだ」嬉しそうな顔をする。


それを聞いたエルンストはとっさに計算をする。今は初夏だから出産日に狂いはない。

やはりゾフィーと出産月が重なる恐れがある。

あの女狐のことだ、薬草を用いて出産を早める可能性もある。


グレーテが嘘を言っている可能性もあるが、今の段階では証明が難しい。

陛下のお子でない証拠をつかまねば。


「そうだエルンスト」

何かを思いたったようにゲオルグは玉座から身を乗り出してくる。


「ランドルフ・フォン・ベッヘムの身柄を拘束しようと思うのだ」


エルンストは突然の申し出にいささか驚く。


「ベッヘム伯の....でございますか?その罪状は?」


ベッヘム伯爵は文官として若く有能な人物だ。

エルンストは何度か酒を酌み交わしたこともある。

罪を犯す人物とは思えない。