たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

だが....エルンストは舌打ちした。

自分は武官であって文官ではない。それを理由にあまり宮廷での政治闘争には目を向けてこなかった。


武門として騎士団の統率、戦時下での戦略だけを考えていたし、それでいいと思っていた。

今さらながら、もっと宮廷の動向に気を配っていればと歯がゆさを痛感する。


これからはファーレンハイトを見習うべきだな。女官を使わない情報収集だが...。
自嘲気味に口の端を歪める。



「ゲルフェルト侯に汚職や謀反の動きは?」


「今のところありません」


断言するファーレンハイトだったが、ニヤリと口元を歪める。


「もっと深く調べてみますか?閣下」


ファーレンハイトがこんな言い方をする時は必ず何かあることをエルンストは知っている。


野生の感鋭いファーレンハイトにこの件を一任すると、エルンストは皇帝に謁見すべく、その申請を出した。