たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

「最近、ゲオルグ陛下の側室になったとか。しかもすでに妊娠されているそうですね」

「ああ」ため息をつく。

こいつの情報網はあなどれない。恐らく寝所を共にした女官から聞き出しているのだろうが。

出所はどこであれ役に立つものを使わない手はない。


エルンストは更に話すようにファーレンハイトを促す。


「ゲルフェルト侯爵家の四女で甘やかされて育ったせいか、わがままで自由奔放。自己顕示欲が強く注目されることに快感を感じる。このまま側室の座に甘んじておりますかどうか」

「つまり、ゾフィーが邪魔なのだな?」


「恐れ多いことです。ゾフィー様を排して自分が皇妃になろうなどと。このたびの妊娠も本当に陛下のお子かと女官たちはささやいております。
が、何より陛下がグレーテ妃に夢中のご様子。側近や女官の声に耳を傾けないとか」

自分の妊娠も利用しようと言うのか。
どうも面倒な娘のようだ。古だぬきが若い仮面をかぶっているのではないか?
エルンストは机に肘をついて聞いている。


「宮廷内でも陛下のご寵愛をいいことに、ゲルフェルト侯爵の発言力が増し不満を持つ者が増えております。
陛下はゾフィー様をうとましくされているとの噂が流れ、風見鶏のごとく態度を変える臣下も出てきている由。
閣下の伯父上、ユンゲルス大臣もさぞご心痛かと」


よくもそこまで知っているものだ。エルンストは舌を巻く。