たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

「ゾフィー」エルンストはうつむいて悲しみをこらえる皇妃に呼びかけた。

「そなたから皇帝にお話はされたのか?」


「もちろんです。ですが信じて下さらないのです。わたくしが陛下を裏切るはずなどないのに」


その瞳は涙で濡れている。


「当然、伯父上からもお話は?」


「むろんだ」


ゾフィーと側室の妊娠。タイミングが悪すぎた。



エルンストは渋い顔をした。


だがこうなった以上なんとかするしかない。


皇帝の気持ちはどうやらゾフィーから離れている。

いや、それ以上にゾフィーに姦通罪を突き付けかねない。さすれば母子ともに最悪死罪だ。


急がねばならん。