たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

「あっ!やっぱり一番違うのは話し方でしょ」

目を大きくしてルイーズは左手の人差し指を顔の横で立てる。

「話し方?」

いつもぶっきらぼうだけど?フィーアは首をかしげる。


「ヘレナさんは別として、あたしたち侍女や使用人にはもっときついわよ。って言うか冷たいって言うか、無感情って言うかさ。もう慣れたけどね」

ルイーズは肩をすくめる。

「うーん、以前よりはましにはなったけど、フィーアとは明らかに違うよ」


「そ、そう?ちっとも気づかなかった。でもね、しょせん奴隷と貴族だから恋愛とか無理だし....」

って、わっバカ。自分からご主人様を好きですって言ったようなもんじゃない。

フィーアは焦りを誤魔化すように薄笑いをした。


だけど.....。

昨日の夜はあまりにも突然だったし、自分も混乱していたからエルンストの気持ちを受け入れてしまったけれど、時間が経ち気持ちが落ち着くに従って、とんでもないことをしてしまったと後悔し始めていた。

貴族と奴隷の未来なんて簡単に予想がついてしまう。


「奴隷が何だってのよっ。だいたいあたしはこの国の身分制度が気に入らないんだからっ」

「ルイーズ?」フィーアは驚いたように目をパチパチさせる。


「貴族だろうが、平民だろうが、奴隷だろうが、愛し合ってたら結婚したっていいじゃないっ!!」


「ねぇ、そう思うでしょっ?!」力を込めてフィーアの肩をつかんだ。


「う、うん、そう思うよ」圧倒されてうなずく。


自分が貴族階級だったときはどうだろう?
そんなの考えたこと無かった。
非差別主義者だったかと言えば、決してそうではなかった。

カーストの上位にいると気づかないことがある。改めてフィーアはその事に気づかされていた。