たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

「そ、それは....」答えに窮するヘレナ。


「母が好きだった花だ。俺が手入れするのを天国で怒ってはいまい?」


「おっしゃる通りですね」ヘレナは諦めたように微笑む。


「フィーアは夕食を手伝え、ここは俺独りでいい」

再び花の手入れを始める。


ご主人様は『ユリの花が嫌い』とおっしゃっていたけれど、それは本心ではなかったのかしら?
ヘレナはエルンストの手元を見つめる。

幼いころから母親代わりとしてお育てして来たけれど、まだまだ分からないことだらけ。やはり本当の母親にはなれない。ヘレナは寂しさを感じる。



「行きましょう、フィーア」

声をかけ、エルンストに一礼するとフィーアとヘレナはその場を後にした。



肩を並べて歩いていると、「あなたが来て、ご主人様は変わったわ」ヘレナの発した言葉はフィーアにとって意外なものだった。


「私が来てですか?」


「ええ、そうよ」フィーアを優しい瞳で見つめるとにこっと笑う。