たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

「花の手入れをしていたのか」


「はい」


「この花は母が植えたものだ」言いながら遠くを見つめる。


その表情はどこか寂しそうだ。


「お母様が?」遠慮がちにフィーアが問う。


「ああ、母はユリの花が好きな人だった。毎日、飽きずにせっせと植えていた。まるで今のお前みたいにな。
幼かった俺は横でそれを見ていた」


「そうでしたか」


エルンストが自分の過去を話してくれるのは初めてだった。


「俺も手伝おう」突然片ひざをついてユリの花に手を伸ばす。


「とんでもございませんっ!!ご主人様がそんなことをなさってはわたくしが叱られます。それに制服が汚れてしまいます」

慌てて止めに入る。