たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

広い屋敷の周りを埋め尽くすように植えられたユリの花は数えきれないほどだった。

慣れない作業とはいえ、終わったのはまだ10分の1にも満たないだろう。


庭師のジークムントはこの気が遠くなるような作業をずっと独りでやっていたのだからすごい。思わず感心するフィーアだった。



それでも花の手入れは苦にならない。


「今日はあの窓の下までやろうかしら?」

そんな目標を決めて独り頑張っていた。

空を見上げると、オレンジ色に染まっている。

そろそろ夕食の支度の時間だろうか?

こちらを切り上げて手伝いに行こうかしら?

手についた泥を払うと、一息ついた。





「────精が出るな」


思いもよらない声に振り向き慌ててフィーアは立ち上がる。


「お、お帰りなさいませ」


陽の高いうちにエルンストが帰って来るのは珍しかった。