たとえこの身が焼かれてもお前を愛す

────心のモヤモヤを抱えて屋敷に戻るとフィーアは馬をカールに返し、やりかけだった作業をするために庭へと向かう。


シャベルや剪定バサミがそのまま置かれていた。


植物が好きなフィーアにとって庭仕事は嫌いではない。

むしろ庭師のジークムントに頼んで手伝わせてもらってるほどだ。


ルイーズなどは『汚れる仕事なんてまっぴら』と平然と言い放っている。



ユリの花を見ると、いつかの夜のことを思い出してしまう。

『お前には剣より花のほうが似合う』


”チクン”小さく胸をさす記憶。

「ご主人様のお気持ちがよくわからない」


一瞬宙を見つめたものの、

「.....余計な事を気にしてはいられないわっ」

自分を奮い立たせると作業にかかった。


ユリの花は一本に10~15個の花をつける。

ここに植えられているユリが満開を迎えたら、どんなに壮観かしら?


フィーアはそれら一本一本愛でるように、優しく大切に手入れをして行った。