「これは心外ですね。私が女ったらしなら、娼婦しか相手にしない閣下はなんと評したらいいのでしょう?」
「何だとっ」
忙しく動かしていた手を止めてファーレンハイトをにらみつける。
エルンストとファーレンハイトは同じ年で士官学校の同期だった。
その頃から仲がよく、気心が知れていた。
団長=元帥であるエルンストに対し、ファーレンハイトは中将で階級が下のため、職場では敬語を使っているが、プライベートでは平語だ。
24歳の若さで中将にまでのぼりつめたこの青年の実力は確かだった。
エルンストも高く評価していた。しかし女性への手の速さだけはどうも頂けない。
「私は本当の事を申し上げただけですよ。女官や貴族の姫君を一度でも抱かれたことがありますか?人生の墓場にまだ足を踏み入れてない以上、男子たるものそれなりに楽しみませんと。どうも私は娼婦を好みませんもので」
一片の笑みすら浮かべず、エルンストは再び書類に目を通す。
「この城の女どもはほとんどお前のお手つきだ。俺はそんな女に興味はないさ」
「閣下は娼婦を相手にしているときも愛の言葉を囁くのですか?」
意地の悪い顔をしているファーレンハイトの問いにエルンストは答えない。
英雄色を好むとはよく言ったもので、武勲の誉れ高い二人も多分に漏れなかった。
「何だとっ」
忙しく動かしていた手を止めてファーレンハイトをにらみつける。
エルンストとファーレンハイトは同じ年で士官学校の同期だった。
その頃から仲がよく、気心が知れていた。
団長=元帥であるエルンストに対し、ファーレンハイトは中将で階級が下のため、職場では敬語を使っているが、プライベートでは平語だ。
24歳の若さで中将にまでのぼりつめたこの青年の実力は確かだった。
エルンストも高く評価していた。しかし女性への手の速さだけはどうも頂けない。
「私は本当の事を申し上げただけですよ。女官や貴族の姫君を一度でも抱かれたことがありますか?人生の墓場にまだ足を踏み入れてない以上、男子たるものそれなりに楽しみませんと。どうも私は娼婦を好みませんもので」
一片の笑みすら浮かべず、エルンストは再び書類に目を通す。
「この城の女どもはほとんどお前のお手つきだ。俺はそんな女に興味はないさ」
「閣下は娼婦を相手にしているときも愛の言葉を囁くのですか?」
意地の悪い顔をしているファーレンハイトの問いにエルンストは答えない。
英雄色を好むとはよく言ったもので、武勲の誉れ高い二人も多分に漏れなかった。


