響は考える。

自分は何のために犯罪を繰り返すのか。

母を殺した男を追い詰めるための予行演習?

本当に予行演習になっているのか?

楽しんでいるだけではないのか?

犯行を成功させた自分に酔いたいだけではないのか?

犯人の気持ちを知る?

知ってどうする?

知ってなんになる?

所詮金に困って空巣に入って、人に見つかったから殺しただけだろう。

心理など知っても仕方がない。

だが、もう自分は走り出してしまった。

元々犯行は50回と決めていた。あと2回やらないと終われない。

止まれない。

やつを叩きのめすまでは止まれない。

情報は集まった。

環境も整った。

一週間以内にやつから全てを奪ってやる。

絶望を味わわせてやる。

絶対。

絶対にだ。

そして自分は逃げ切る。



母さん。

仇をうつよ。