このドキドキが、雷無から隠れているせいなのか、それとも潤くんと距離が近いせいなのか、もうもはやどっちか分からない。



さっき、潤くんキスしようとしなかった…?


いやいや、まさかね?


そんなわけないよね?


潤くんが、私にキスをする理由なんてないんだし。


ひょっとして、顔に何か付いてたのかな?



…って、今そんな事考えてる場合じゃないんだってば!



この倉庫のどこかにお兄ちゃんがいる。


このまま何もせずに帰るわけにはいかないんだ!!



「……っあの!!」



潤くんの手を振りきり、男達の前へと飛び出して行く私。


その時、潤くんが「あ…」って止めようとした気がしたけど、そんなのお構い無しに飛び出していった。



「進藤新に会わせてもらえませんか!?」



男達の視線が私へと突き刺さる。



う……。


なんだろう?


潤くんや昴くんに出逢った時とは違う。


何だかこの人達、凄く嫌な感じがする。


「何?うちの総長に何の用事?」


「あの…えっと…」


「アポは取ってあんの?」


「い…いえ…」


「ダメだなー。総長への面会なら、ちゃんとアポは取ってもらわないと」


男達は、ニヤニヤと怪しげな笑みを浮かべながら私ににじり寄ってくる。