「愛華ちゃんの気持ちは分かるよ。俺らだって新を信じてたから。何度も話し合って、説得した。でも、新の意思は変わらなかったんだ。だから俺らは、新と決別するしかなかった……」


「そんな…っ!で、でも、潤くんは前にお兄ちゃんと親友って言ってたよね!?潤くんならお兄ちゃんをどうにか出来たはずでしょ!?」


「……」


「何で…何で何も言わないの…?」


潤くんは表情ひとつ変えずに、取り乱す私を見つめている。


そして、ゆっくり口を開いて。




「新は、もう俺らの仲間でも何でもない」




冷たい言葉を言い放った。




私は何か、勘違いをしていたのかもしれない。


潤くんに会えば、何か変わるかもしれないって……。


お兄ちゃんとの日々を取り戻せるかもしれないって……


そう思ってたから。


友達すら紹介した事のなかったお兄ちゃんが、あの日、凄く嬉しそうに潤くんを“親友”と言って紹介してくれた。


そんなの初めてだったんだ……。


なのに……–––––。






「………そっか。分かった」



「愛華ちゃん?」



スタスタと出口へと向かう私を、不思議そうに見守る昴くん。