『好きにしちゃって』
武くんの言葉が合図のように、男達が一斉に私を取り囲む。
その間にも、武くんの言葉の意味を頭がじわじわと解釈し出して……。
そうか。
これはあの時。
武くんが望美ちゃんを襲ってる時、私が邪魔をしたから……。
その…仕返し?
え?
嘘でしょ?
そんな……事で……?
あんな事されているのを目撃して、止めない方がどうかしてるじゃない。
そうか。
この人は、常識なんて通用しないんだ。
そうしてる間にも、男達は私を押さえつけながら、私のシャツのボタンに手をかけてきて……
『ヤダヤダ!待って!やめてっ!!お願い武くん!!やめるように言って!!』
そんな声も届かなくて……
『うるさい』
『っっ!!!』
–––––––ザクッ!
それどころか、仰向けにさせられた私の頭上から、いい気味だと言わんばかりの表情の武君が私にナイフを振り下ろした。
『俺に指図すんなよ』
そのナイフは、私の左二の腕辺りを割いて、血でシャツが赤く染まっていく。
傷を負った場所が、ジンジンと熱を持って熱い。
全身の血の気がサーッと引いていく。
怖くて、怖くて、体が動かない。



