「私、諦めませんから!!話してくれるまで、諦めませんっ!!!」
そう叫ぶ私に、彼は一度も振り返ることなく、倉庫の中へと消えていった。
地面に落ちる雨音が余計に虚しさを煽る。
「絶対に…諦めないんだから…」
私は強く手を握り、唇を噛み締め、自分に言い聞かすようにそう呟いた–––––。
***
「君もなかなか強情だね。愛華ちゃん」
「こんばんは!昴さん!!潤さんいますか?」
それから10日。
私は、彼らがいる倉庫に毎日通い続けてる。
…と言っても……。
「いつも言うけど、潤は、愛華ちゃんに会うつもりはないんだよ」
毎回のごとく門前払いだ。
「女の子がこんな時間にこんなとこ来ちゃだめだよ。いい加減諦めた方がいい」
「だって、日中はみなさんいないし。そもそもこんなとこってどんなとこですか?」
そう言って、昴さんの背後に隠された倉庫の中を覗こうとすると、昴さんはニッコリと笑いながらさり気なくそれを隠した。
いつもそう。
この人達、一体何を隠してるの?
「愛華ちゃんダメだよ。何度も言うけど、愛華ちゃんをここに寄せ付けないよう、潤にキツく言われてるんだよ」



