わなわなと、全身が震える…。



こんな恐ろしい感覚は初めてだ。



デビーの顔が元通りの顔に戻っても
私の鼓動は震え続けていた。


それを悟られないようにと、
なんとか会話だけは落ち着いて話した。




「篠田莉乃(しのだりの)お前、なんでそんなに死にたい?」


「人には…いろいろな事情があるのよ。」


「高校生になって、上京して一人暮らし。頼れる家族は近くにいなくて、まともな友人もいない。学校に行けば酷く虐められて、家に帰ればまた独りぼっち。故郷へ帰りたくても高いお金を払って上京させてくれた親には今更余計な心配をかけられない。あぁ、私、人生に絶望した〜!って、こんなところか…?」


「…天使はなんでもお見通しなんだね。でも私の人生をそんな言葉だけで纏められるのは癪だわ。」


「そこで、自殺を考える女子高生を偶然見つけた見習い天使。彼は彼女にある提案を持ちかけた。deathオアalive。」


「なにそれ。あんた見習いだったの?てか、状況説明すんならもっと分かりやすくしてもらえる?」


「命を粗末にしようとするお前に試練を与える。
【とある青年の真意を見抜き、彼の願いを叶えよ!期限は7日以内!】
言っとくけどこれ超〜サービス問題。」


「はぁ?意味わかんない…」


「クリアできれば、お望みどおり君を自由に死なせ天国へと連れて行こう。
でもクリア出来なければ君は…
業火燃え盛る地獄行きだ!」




地獄…


そんなものが、本当にあるんだ。


ぶるっ、と、私の全身に悪寒が走る。



業火の燃え盛る地獄になんて絶対に行きたくない。



考えただけで、恐怖に支配されそうだ…。