【完】悪魔な天使


「関係ないだろ。ほっとけ。」

ビビりな私と違って、お兄ちゃんは一歩も引かずに前を歩こうとした。


その様子を見てか、ぞろぞろと残りの4人も集まって、私とお兄ちゃんの2人はあっという間に不良グループに囲まれてしまった。


「生意気言うなよ。ちょっと金貸してくれりゃそれでいいからさ。」

「金なんて持ってないよ。あったらとっくに使ってる。」

「じゃあ、ママに頼んでお小遣いもらってこいや。」

「いやいや、寧ろお前等が俺に金くれよ。」

「んだと?この野郎…」


ガツンと、不良の拳がお兄ちゃんの顔面にヒットした。

「全然、痛くないんだよねぇ。」


「あ?」


「やるんなら、もっと痛くしてよ。」


「は?何言ってんの?
お前…きもいんだけど」



お兄ちゃんは不良の胸ポケットに刺さっていたボールペンを奪い取ると…



「例えばほら…こんくらい?」


---グサリ。


なんと、そのボールペンを躊躇なく殴った奴の肩に突き立てた。


「ギィヤアアアッ!!!!!!!!!!」


ボールペンが深くまで刺さり、流れ出る血に、不良達の顔は一瞬にして真っ青に変わった。


それなのにお兄ちゃんはそんな事見向きもせずに違う不良へと殴りかかった。


「ヤメて!お兄ちゃん…っ!」

私の呼びかけに、ようやく手を止めると
お兄ちゃんは我に返ったように私を連れてその場から逃げ出した。