【完】悪魔な天使



どのくらい時間が経った頃だろうか。

いつのまにか雨は止んでいた。


カチャ---


物音がして、俯いていた顔を上げると
そこにはボロボロのお兄ちゃんが立っていた。


「お兄ちゃん!!!」



お兄ちゃんは、ベランダの鍵を開けてくれたけど、すぐにその場に崩れ落ち、倒れ込んでしまった。


私は自力でベランダの窓を開けると、お兄ちゃんを自分の元へと引き寄せる。


「お兄ちゃん…大丈夫!?」.


…大丈夫なわけがない。
そんな事は分かっているが、聞かずにはいられなかった。


「…うん…。…あともう少し…このまま……。
…そうしたら…大丈夫になるから。」



その言葉を聞いて、私はお兄ちゃんの身体をベッドまて運ぼうとしてみるけれど、
この小さな身体ではそんな事すら叶わない。



「…ナオが…、生きててくれて……よかった…。」


それだけを告げて、お兄ちゃんはまた深い眠りについてしまった。



---私は、また涙が止まらなくなった。