---寒…っ。
自分の身震いで目を覚ましたようだった。
生憎のお天気で、
ポツリポツリと、小さな雫が私を濡らしている。
そうか。私はまだベランダに放り出されたままなのか。
現状を把握してから、ガラス越しに部屋の中を見渡してみる。
グッタリとしたままのお兄ちゃんの姿はあるが、
父親の姿はどこにも見当たらなかった。
起きて早々、
ぐ〜っとお腹の音が鳴る。
…さて、どうしたものか。
今の自分にできる事はなんだろう。
とりあえず、恵の雨に私は空に向かって大きく口を開けた。
カラカラに乾いてしまった喉を少しでも潤すためだった。
雨の雫を美味しいと思ったのは、生まれてはじめてのことだった。
暫くそうしてるうちに、首が疲れてしまったので、一旦休憩することにする。
体育座りをして、身を縮め、少しでも寒さを紛らわせた。
ふと、お兄ちゃんへ目線を向けると、
微かに動く骨ばった指…。


