出会ってからほんの一ヶ月ほどしか経っていないし、彼女の何を知っているのかと問い返されたら言葉に迷うかもしれない。
でもこの彼女にとって最も思い出の濃い最後の一ヶ月に一番近くで彼女と笑いあったのだから、彼女の気性くらい知っている。
余命宣告という人生の中で大きな絶望ともいえることに対して希望を持てる強さを、その上で他人を思い遣ることさえやってのける力を持っているくせに、自分のことを突かれると驚くくらい脆いような危なっかしさも、目が離せなくて。
そんなことも、分かっている。
目の奥が熱くなったのを誤魔化しながら、良はページをめくり続けた。
全体を見るとその日記は、半分ほどしか埋まっていなかった。
幾らか白紙のページが続き、最後のページの隅に小さく書かれた一文に、良はそれをめくる手を止めた。
「………っ…」
思わず、左手で口元を押さえた。
見開いた目からゆっくりと、大きな透明なきらめきが転がり落ちる。
加代、と名前を呼びそうになり、刹那こみ上げた嗚咽が邪魔をする。
でもこの彼女にとって最も思い出の濃い最後の一ヶ月に一番近くで彼女と笑いあったのだから、彼女の気性くらい知っている。
余命宣告という人生の中で大きな絶望ともいえることに対して希望を持てる強さを、その上で他人を思い遣ることさえやってのける力を持っているくせに、自分のことを突かれると驚くくらい脆いような危なっかしさも、目が離せなくて。
そんなことも、分かっている。
目の奥が熱くなったのを誤魔化しながら、良はページをめくり続けた。
全体を見るとその日記は、半分ほどしか埋まっていなかった。
幾らか白紙のページが続き、最後のページの隅に小さく書かれた一文に、良はそれをめくる手を止めた。
「………っ…」
思わず、左手で口元を押さえた。
見開いた目からゆっくりと、大きな透明なきらめきが転がり落ちる。
加代、と名前を呼びそうになり、刹那こみ上げた嗚咽が邪魔をする。

