輝くような笑顔なのに、どうして今にも泣きそうに見えるのだろう。
「私ね、複雑な脳の病気って言われたんだ」
「うん」
こぼれるように言葉が落ちると、相槌を打ってくれる良につい弱音が堰を切った。
「今までも色々病気にかかったけれど、こうまでずっとお母さんに迷惑かけ続けると思ってなかったの…お父さんは早くに死んじゃっていたからそうでなくても大変だったと思うのに」
「そうなんだ…」
先程に父がいないということを良の語り方で分かっていたから、こんなことを言ったら自分だって同じだと怒られるかもしれないと思ったが、止められなかった。
こわい。
言うべきではなかった言葉も、いつの間にか口にしていた。
「死ぬって何?消えちゃうの?心が?大切な人のことも何もかも忘れてなくなって、悲しいと思う気持ちも、なくなるのかな…」
抑えていても声が震えた。
困らせるだけだと知っていて、止まれない自分を馬鹿だとも思った。
それでもこの恐怖を誰かと共有せずにはいられなくて、負担を強いているかもしれないのにも関わらず、自分の怯えを和らげることを無意識に優先した。
瞬時に固くなった良の表情を見て、それがどれほど自分勝手な言動だったのかが分かった。
体が強張り、謝ることさえ出来ずにいると、
「そう、なのかもしれないけど…僕は、考えないようにしてた」
良が発した一言は、私を責めるものではなくて、真剣に考えてくれた一言で、その親身さが嬉しく、でも余計に辛くなった。
「私ね、複雑な脳の病気って言われたんだ」
「うん」
こぼれるように言葉が落ちると、相槌を打ってくれる良につい弱音が堰を切った。
「今までも色々病気にかかったけれど、こうまでずっとお母さんに迷惑かけ続けると思ってなかったの…お父さんは早くに死んじゃっていたからそうでなくても大変だったと思うのに」
「そうなんだ…」
先程に父がいないということを良の語り方で分かっていたから、こんなことを言ったら自分だって同じだと怒られるかもしれないと思ったが、止められなかった。
こわい。
言うべきではなかった言葉も、いつの間にか口にしていた。
「死ぬって何?消えちゃうの?心が?大切な人のことも何もかも忘れてなくなって、悲しいと思う気持ちも、なくなるのかな…」
抑えていても声が震えた。
困らせるだけだと知っていて、止まれない自分を馬鹿だとも思った。
それでもこの恐怖を誰かと共有せずにはいられなくて、負担を強いているかもしれないのにも関わらず、自分の怯えを和らげることを無意識に優先した。
瞬時に固くなった良の表情を見て、それがどれほど自分勝手な言動だったのかが分かった。
体が強張り、謝ることさえ出来ずにいると、
「そう、なのかもしれないけど…僕は、考えないようにしてた」
良が発した一言は、私を責めるものではなくて、真剣に考えてくれた一言で、その親身さが嬉しく、でも余計に辛くなった。

