「良!」
それから母が一旦家に帰り、病室で暇を持て余していた加代の元に、少年は現れた。
「どこへ行っていたの」
軽く責めるような口調になってしまい、すぐに後悔したが、良は気にしないといったふうにかぶりを振った。
「内緒」
人差し指を立てていたずらっぽく笑った良は、悔しいが整った顔も手伝い魅力的だった。
「なによ…」
勝てないな、とため息をついた加代は、それが不快ではなかったことに気がついた。
「暇してるかなと思って」
笑みを含んだ声で手に持ったトランプをひらひらとしてみせた良を見て、加代はわざわざ来てくれたんだ、という感想を胸にしまった。
「退屈で仕方ないわ」
「それは良かった」
くすりとした良に、加代もつられて笑った。
ババ抜きを始めた二人は、雑談をしながら時間の過ぎていくのを早く感じていた。
「…ねぇ」
そして、加代は言いにくかったことを言葉にする決意をしていた。
「なに?」
それを受ける静かな瞳は、どこかでそれを判っていたような節があった。
それから母が一旦家に帰り、病室で暇を持て余していた加代の元に、少年は現れた。
「どこへ行っていたの」
軽く責めるような口調になってしまい、すぐに後悔したが、良は気にしないといったふうにかぶりを振った。
「内緒」
人差し指を立てていたずらっぽく笑った良は、悔しいが整った顔も手伝い魅力的だった。
「なによ…」
勝てないな、とため息をついた加代は、それが不快ではなかったことに気がついた。
「暇してるかなと思って」
笑みを含んだ声で手に持ったトランプをひらひらとしてみせた良を見て、加代はわざわざ来てくれたんだ、という感想を胸にしまった。
「退屈で仕方ないわ」
「それは良かった」
くすりとした良に、加代もつられて笑った。
ババ抜きを始めた二人は、雑談をしながら時間の過ぎていくのを早く感じていた。
「…ねぇ」
そして、加代は言いにくかったことを言葉にする決意をしていた。
「なに?」
それを受ける静かな瞳は、どこかでそれを判っていたような節があった。

