意識のない加代は額に汗を滲ませていて、無意識にそれを拭っていた。

「どうして、出会ったばかりなのにここまで気にしてしまうんだろうな」

目を瞑り前髪に手を押し当てた良は、口元をゆがめて笑った。

「馬鹿みたいだな」
そう言いつつも、支える手に優しく力を込めた。