MEMORIZE BLUE

がたん、と椅子を引いて立ち上がった私に、誰もが怪訝な目を向けた。

クラスでも発言することの殆ど無かった私が歌詞係だということも、あまり覚えられていないらしい。

それでもいい、と葵は呟いた。

大事なことは、いつだってここにある。

「私が、作りました。たしかに、独りよがりで自分勝手だったかもしれません」

言い終わって深く頭を下げ、水を打ったように静まり返る教室の中、ひとり葵は顔を上げた。

「でも」

伝わるように。

届きますように。

「等身大の自分達を、多分今だけの思いを、書きたかった」

声音は決して大きくなかった。それでも染み入るような言葉に、全員が言葉を失くした。

「…出しゃばって、すみません。私からは以上です」