MEMORIZE BLUE

「これで賛成の方は、挙手して下さい」

そう毅然と言い放つ佐島に、男子の一人が手を挙げた。

「これ、俺達の希望が入ってないじゃん」

瞬時に葵や佐島が冷や水を浴びせられたような顔をし、クラスメイト達は目が覚めたような顔をした。

「そうだよな」
「適当にまとめるくらい出来なかったのかよ」
面と向かって言われない言葉は、むしろ深く刺さった。

言い返せずに唇を噛み締めて俯く葵を一瞥した佐島は、静かに口を開いた。

「それでも、俺はこれがいい」

「……っ」

思わず顔を上げると、真っ直ぐ前を見据えて一ミリも揺らがない佐島の横顔が目に入った。

(…一番大事なこと、忘れるところだった)

胸を突かれた葵は、何だか泣きたくなってしまった。

私が変わらないで、どうする。