MEMORIZE BLUE

「みんなの気持ちを、聞きたい」

みんなの曲なのだから、誤魔化してしまうのは嫌だ。

そう、葵なりに勇気を出した言葉に、佐島も眉を上げ、了承の意を示した。

終礼の時間、佐島が係発表で挙手した。
(……うわぁ)
自分の本音が晒されたあの歌詞を提案されるのか、と思うと今更ながら体が固まった。

一度は身を縮めた葵だったが、しかし思い直して背筋を伸ばす。

堂々と居たいと、思うから。

「これなんだけど」
佐島が回した歌詞のコピーを、みんなが見る。

その反応はまちまちで、興味の無さそうな者や、笑う者もいた。

予想はしていたが少し傷つくな、とかすかな笑みを見せた葵は、自分を心配そうに見る小夜達の視線に気づく。

大丈夫、と唇を動かした葵は前に向き直った。

たった一人でも、心を動かしてもらえたらいいだなんて、幻想だろうか。

たとえそれが希望論だとしても、捨てずに気丈に居たいと願った。