MEMORIZE BLUE

「あ、葵」
「佐島君か」

少々気まずげな空気が漂うかと思ったが、登校してからというもの小夜は上機嫌で、さっぱりと佐島に挨拶して他の友達の元へ行った。
空元気にも見えたが、笑っている小夜を見ると何だかほっとしてしまう。

「歌詞出来た?」
「……う。一応、ですが」
「なんで敬語なの」

俺のことも翔って呼んでよ、と佐島は少し笑みを含んだ声で言った。

「なんか俺がチャラ男みたいだし」
「…ならそのままでもいいかも」
「なんで」

しばらく間を置き、盛大に同じタイミングで吹き出した葵と佐島は顔を見合わせた。

「じゃあ、翔で」
「うし」
からりと笑った佐島を見て、胸がきゅんと締め付けられた。

「なんか…そんなふうに笑ったり、するんだなぁ」