「最初に出来た友達で、きっと最後の友達だった」

心の底からの友達というのは、今まで出来たことがなかった。

小学校の頃は快活だと言われていたが、人に合わせて中身のない笑顔を浮かべていただけだったから。

「結局、ひとりじゃ何も出来ないんだって、思い知らされた」

一人ぼっちの教室で、何度も存在価値を考えた。

明日の意味さえ分からなくて、耐えるだけの日々だと思っていたのに、まるで差し込んだ光のように。

「……っ…ごめんなさ…」

嗚咽で声が出なくなって、ぼやけた視界を誤魔化すように俯いた。

「馬鹿だよね…」
「馬鹿じゃない」

慰めなくていいよ。

掠れていたが、きっぱりとした声に、佐島は同じ目線になろうとしゃがみ込んだ。